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クリエイターとして仕掛ける未来【写真と生きる】

クリエイターとして仕掛ける未来【写真と生きる】

2019年2月22日

SNS黎明期のクリエイターと仕事の関係

re_DSC02040-2Photo by Haru Wagnus

[黒田]
4 Silent Birds (以下4SB)のビジュアルもよく拝見するんですけど、けっこう SNSで被写体を募集したりしてやっていますよね。

[ハル]
そうですね。積極的にSNSのモデルの子と活動する理由もあって。

Instagramは海外だと5年前くらいから全然流行っていたんですけれど、3年 前くらいに日本でようやくSNSとして注目されだした時に、企業が参入し だしてきたんですよね。

僕がその頃Instagramきっかけで受けたカルティエの案件はその動きはじめ よりもちょっと早かったんですけれど、カルティエ案件の半年から1年後く らいに企業が色んな写真家に仕事を振るようになってきたんです。

[黒田]
ほ〜、黎明期ですね。

[ハル]
広告として。企業案件と皆呼び出していたんだけれど、中には二束三文の 案件もあって、人によってはそういう仕事に喜んで飛びついてやっていた んですよ。例えば数千円とかのバジェットで。

皆は今まで趣味でしかやってこなかったから、それでも嬉しくてやっちゃ う人も沢山いたんですね。

[黒田]
あ、なるほど。

[ハル]
僕は凄くそこに懸念を抱いていて。これは皆安案件を簡単に引き受けて安 くクリエイティブを売っていくことになってしまうなと。折角お金や時間 をかけて磨いてきた技術を安売りすることになっちゃうのはもったいない と感じていました。それもあって4SBのクリエイティブはちゃんとやろう という話をしたりして、実践して、皆の意識をよりプロ志向を高めるよう なアプローチを行いました。

[黒田]
確かに、まずは自分でということで、4SBのモデルを募集したってことで すね。その意識は凄くわかります。自分がヒーコを始めて、セミナーとか でも結構な額を取っているんですけれど、それはそのくらいの価値のあるものにしていかないと駄目でしょうという意思表明でもあって。ここは自分もポリシーにしてはいますね。

[ハル]
そうそう、それって大事だと思うんですよね。

[黒田]
大事ですね〜。フォトグラファーってどうしてもビジネスの構造的に末端 になっちゃう。下請けというか。そうなった時に自分のクオリティとかク リエイティブに自分で価値をつけていかないといけないなと思います。

[ハル]
そうですよね。

[黒田]
まぁ難しい話でもあるんですけどね。お金の話は本当に難しい。

[ハル]
難しいですね。

[黒田]
インフルエンサーマーケティングに近い側面もありますしね。クリエイ ティブの価値だけではなく。ネットからくる仕事はたしかに撮影単体は結 構単価が安い案件も多いと感じますね。

[ハル]
やっぱり世の中全体が、WEBベースになって凄く安くなっていますね。

音楽の方でも同じことを思います。昔は音楽、企業のCM用に曲を作ったら 100万、50万とかは当たり前だったんですけどWEBになった途端にズドン とクライアントは価格を下げてきて、最初30万になって20万15万、最終的 にオーケストラ5万で作れと言われ「もう辞めた~!」と言って辞めました (笑) 「オーケストラの曲5万で作れるかぼけ~~」つって(笑)「ストリング ス隊どうすりゃいいんだよ~」みたいな(笑)

ハリウッド映画のような曲をとか言われて「いやいや、無茶ですわ」。人 件費ですら賄えない(笑)

[黒田]
(笑)

[ハル]
本当、無茶苦茶すぎたんですね。

[黒田]
それはひどいですね(笑)

[ハル]
WEBに企業が広告宣伝費そんなに使わなくていいっていう認識を持っ ちゃったんで。あれでそれこそ写真の方にもその認識が行ったんだと思い ます。

[黒田]
仕事は増えてるんでしょうけどね。少しづつ今は改善されつつあるようなイメージです。

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