2019年2月22日
Photo by Haru Wagnus
[黒田]
トップオブトップのフォトグラファーがWEB上の何かコンテンツを作ると きは、さすがにちゃんと予算も確保してくれるけどSNSフォトグラファー としてアサインされると安く見積もられることも多いんだと思います。
やっぱり。そこは壁を感じますね。それもあって自分はSNSでプロモー ションせずに商業に足を突っ込むようにしたんですけど。
[ハル]
この1年で去年はInstagramのユーザー2000万人だったのが今は2800万人に なったと。その800万人が増えたパイがどこにあったかというと、今までは 対女性が多かったのが今は男性ユーザーももっと増えたのと30~40代のも う少し年齢層高い人達もやるようになった。
おそらく逆に十代、二十代前 半の人たちはTikTokに結構流れる可能性もあるかもしれないけれど、年齢 の高い人はTikTokは見ないのとおじさんおばさん扱いされるので参入の余地がない(笑)
なのでもうちょっと上の世代になるとInstagramは需要でてくるのかなとい う気はしてます。
[黒田]
なるほど、それは面白い考察。
[ハル]
ここ半年、4SBで影響力のあるアンバサダーとコラボレーションを多くさ せていただいた関係でInstagramの傾向をずっと見ていたんですが、約1年 くらい前から自撮り系の女の子たちが大分人気が出たんです。その前まで ファッションモデルがすごく人気があったんですけど、憧れの存在みたい なモデル。
ところが、だんだん自撮り系の親近感のある子たちにシフトし てきている、そしてプロのモデルたちは伸び悩んでる風に見えますね。
[黒田]
ああ、とてもわかります。フォトグラファーもそうですけど。
[ハル]
自撮り系の可愛い子が結構人気が出たんです。いわゆる真似しやすい子で すね。
そこから更ににここ最近の傾向は前まで全く受けなかった被写体系の子、 いわゆるポートレートモデルの人たちの人気が軒並み伸びている。ここの支持層は何だろうなと思ったら、ほぼ男性なんです、圧倒的に。男性のユーザーが増えたせいだと思うんです。年齢層も幅広い。おじさんもいれ ば若い子もいる。実際、そういう子たちの男女比率(Instagramの個人のイ ンサイトで見れる)は8割強が男性のようです。
ファッションモデルとかはやっぱり事務所に入っているし、お洒落すぎて よくわからない、手が届かないみたいな存在。手を伸ばしても絶対相手に してくれないな感はあると思うんですけど、被写体モデルに関しては可愛 くて身近な雰囲気があるので、親近感があって応援しやすかったり、 まぁ・・ワンチャンあるんじゃないかという男性たちが増えてきているよ うに思います。
前までTwitterくらいでしかちゃんとやってなかった被写体 系の女の子たちはInstagramでは凄く伸びてきていますね。そこが今の流れなのかなと。
[黒田]
それは凄くわかりますね。 カメラマンの写真もその傾向がありますし。
[ハル]
そうですね。今までSNSでもポートレートカメラマンというのは受けも良 くなくて、アカウントも大きくなかったんですけれど今は大分勢いありま すね。
[黒田]
Instagramを中心にフォトグラファーが増えてきているイメージありますね。
[ハル]
日常写真を撮る人も結構人気が出てきていますね。アートっぽいのよりは日常系みたいな。
[黒田]
全く同感ですね。結局昔って広告ビジュアルとか、何でもそうだと思うん ですけどバリバリにPhotoshopやって、あーかっこいいなっていう、なりた い憧れが割とモチベーションになっていたと思うんですよね。
でもSNSが流行って皆平均だった中から隣の子がポーンと出てきたりと か、クラスのあいつがSNSで人気だとかそういうレベルになってくると、 親近感とか共感性の方がプライオリティとして高くなってくるというか。 憧れの絶対届かないやつより近くのアイドルみたいな。AKBが流行ったのと同じ文脈で人が増えてきている。結構それはまだまだ続くだろうなと 思っています。
さらに言うとクオリティの高さってある種の足枷にもなってくるとすら思 います。クリエイター視点では、この価値観とのジレンマはすごいある気 がしていますね。一億総クリエイター時代とか言いますけど。それに近いところを思ってはいますね。写真なんか誰でもできるし。
[ハル]
最近のSNSの傾向だとそれこそクリエイティブばっきばきの写真で広告打 つよりも何ならちょっとiPhoneとかでパシャっと撮ったやつをSNS広告で 使ったほうがウケがいい傾向もあったりもするから、そこは中々クリエイ ター泣かせな時代だなと思います。
[黒田]
本当にそう思います。結構クオリティが良ければ良いほどちょっとバズで はなくなるというか。そこでどう戦っていくか。クオリティ高くて共感得 られるクリエイティブが現状最強だと思うんですよね。
[ハル]
あとはやっぱりこの半年くらいの傾向としてやっぱりエモさですね。
[黒田]
エモさ。あー確かに確かに。
[ハル]
エモさはやっぱり重要。特に若い子には。
[黒田]
エモがやっぱり不器用な、THE格好いい、クールじゃないところに刺さっ ているのかな。
[ハル]
不完全なところがね。
[黒田]
そうですね。
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2024年02月23日 発行
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