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きっかけは、ただ知りたいという探究心だった

きっかけは、ただ知りたいという探究心だった

2018年3月29日

ベストの一枚は「ネクスト」

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[黒田]
常人の数倍の密度ではあるけど、プロセスは皆がある種通ってきてる思考を辿っている感じじゃないかな。誰もがその道になりかねないというか…でもその一方で旅をしながら、自分の仕事もしたりしてるわけだよね?

[Kyon.J(きょんきょん)]
うん。有給0だよ(笑)

[黒田]
それは会社の理解とかもあるの?

[Kyon.J(きょんきょん)]
ちょうど会社の方針が、有給ある人はどんどん取ってくださいって流れになったからそこに自分が運よく乗っかる事が出来たという感じかな。

[黒田]
そういう意味でも神に愛されてるね。世の中の流れ的な風向きがあるわけで、もちろん逆境もあるけど、上手い具合に風が来た時にそこに乗れるかどうかって、自分次第じゃん。準備とかもあるし。そこにちょうど自分に機運が来て、流れに乗る事が出来て。
それでこの間ヒーコの記事でも書いていたように、クラウドファウンディングで写真集を出版するために、作品を作るぞってなったんだよね?それは普通にカメラをやっていない人とか、カメラを持ってるけど、家族写真を撮ったりとか単に旅行中に写真を撮ったりとか、俺も昔そうだったんだけどそういう人たちからしたら、もう狂気の沙汰だと思うよ。わざわざ自分の貯金を切り崩して、その写真集のために何百万とお金を出して、でもそれはお金儲けではなくむしろ減るわけじゃん。

[Kyon.J(きょんきょん)]
うん、全然お金足りないよ(笑)

[黒田]
そうだよね(笑)そこまでして自分の証というか、作品を残したいって求道的になるって凄いことだよ。

[Kyon.J(きょんきょん)]
おかしいかな(笑)

[黒田]
まあ、良い意味で、おかしいかも。一般の人からしてみたらその行為って分からない感覚だと思うんだよね。それってクリエーションの世界に足を踏み入れないと分からないところだと思う。多くのそういったものに携わっていない人達はただ美味しいものを食べたりとか、それこそ旅行に行って楽しみたいでも良いけど、その人達からしたら旅行中にむしろ辛い思いして最高の一枚を撮るために朝から登山するとかって考えられないだろうなって話。

[Kyon.J(きょんきょん)]
それはある。うちの親に二度とあなたとは旅行に行かないって言われた(笑)

[黒田]
きょんきょんは最高の一枚のために働きながらやってるわけで、それはもう良い狂い方だと思うよ。そういう努力の上でああいう作品ができてるっていうのも、もちろんあると思うんだけど、ものの2,3年で一気に「iPhotoで現像してんだよ」って時から、「いやいや腹から血出しながら山登って朝日撮りますわ」みたいな風になってるっていうのは、それだけ写真に魅力もあるし、写真を通して知った絶景というところにも人生を賭ける魅力を見つけてるってことだよね。

[Kyon.J(きょんきょん)]
そうだね~。あとすごく思うのは、良い写真が撮れても、それで満足するわけじゃないって事。よく自分にとってどれが一番お気に入り?とか聞かれるんだけど、自分の答えは常に、ベストの一枚は 「ネクスト」 なんだ。今の中で一番良いっていうのは、あんまり答えに出したくない。言いたくないって思ってる。

[黒田]
まだまだ自分はもっと先に行くぜって気持ちがあるんだ。

[Kyon.J(きょんきょん)]
そう、もっと先に行きたいって思う。もっともっと、って欲望がどんどん生まれてきて、今までこういうの撮れてきたからこそ、これを超える何かもっと良い写真を自分は撮らないといけないって無意識に思うんだ。だから絶景を、一生追いかけ続けるしかない。

[黒田]
もうその道に入ってしまったんだね。

[Kyon.J(きょんきょん)]
入ってしまった。しかも、見たい。撮りたい。現像したい。現像したものを見せたいみたいな、一連のプロセスが全て好きなの。例えば現像だけが好き!とかじゃなくて、写真を撮って仕上げる全ての工程が好き。今はまさに楽しくてしょうがないっていう状況なんだ。

[黒田]
それは素晴らしい。勿論だとは思うけれど、それを今後も続けていくの?

[Kyon.J(きょんきょん)]
続けて行きたい。お金と時間がある限りは(笑)

[黒田]
ある限りはね。体力と(笑)それはわかる。どの写真が一番好きって聞かれても、それは死ぬときにわかるよって思う。

[Kyon.J(きょんきょん)]
そうそう。きっとそうだと思う。もうちょっと良いのあるかもって、いつも思う。

[黒田]
そうそう。もうちょっと良いのあるかもな、というのもあるしこれきょんきょんもそうなんだろうけど、割と早いスピードで進化を自分自身で分かるレベルで、前より良くなってる、前より学んでるっていうのをじっくりじゃなくて、急激になってるからこそ、その成長比率が当たり前になっちゃっている気がする。だから同じものを撮っても次はもっと上手くできると当たり前のように思うし、そう考えると、まだ次があるし、先があると思える原動力になるというか。

[Kyon.J(きょんきょん)]
まさにそうだと思う。

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