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フィルムの距離感は、片思いと似ている

フィルムの距離感は、片思いと似ている

2017年12月14日

これからの展望

[黒田]
ぼんやりとでも、目指すべき場所があるってわけじゃないんですか?

[護]
多分人には言わないけど、自分でも 自覚していない野心 は絶対あると思うんですよ。もちろん絵を書いていた時も、女優をやっている時も写真を撮る時も、誰かに負けたいとかいう気持ちは一切なくて。
でも良し悪しは本当に好みだと思うので、いい写真の最低ラインがあったうえでの好みだとは思いますので、まずその最低ラインを越えられるようにということで1年間の目標にしていました。自分なりに1年毎の目標は立てていて、来年は写真でコラムを書けるようになるとか、女の子で連載を作ろうとかですね。それは別にSNSでもinstagramでもTwitterでも、それこそ自分でブログとかなんでも立ち上げてできちゃうことなので。

[黒田]
今はもう媒体はなんでもありますね。

[護]
来年の目標は写真でお金をもらうことですかね。買った物の元は取ろうと思います。それが単純にやりたいことです。

[黒田]
いいですね。程よく現実的で非常にいいと思います。ロマンでは食べていけませんからね。

[護]
そうなんですよね。ロマンでは食べていけないので。十何万で買った物は、それ以上を回収しないと意味がないので、高い趣味をやるなら回収して終わろうかなと思っています。自分のケツは自分で拭くみたいなことですよね。

[黒田]
とても共感できますね。自分も今はプロカメラマンでやっていますけど、元々、本業をやりつつ写真の仕事がポツポツくるようになった頃は、カメラに費やすお金はカメラで稼いだお金にしようと思って、財布を分けていましたね。

[護]
正解ですね。私もそうしようと思います。

[黒田]
毎年そういった目標を作っていて、ちょうど今年の目標が写真で、来年の目標がその写真でマネタイズするということですね。

[護]
まだ本当に始めて1年も経ってないくらいなので。

[黒田]
驚異的ですけどね。

[護]
1年も経っていないので、1年はまず 、「この子は写真がとても好き」 ってことを 認知 してもらうことだと思っていました。Amazon Primeとかに近いんですけど、ずっと昔からありましたけど、主流になったのは最近という感じで。下火があるので、まずは知ってもらうことですよね。お金はこっちが払ってでもやってもらうということが大事なので、まず1年間はお金に糸目をつけない。ただし、ちゃんと計算して1年でやり切れるように決めて。嬉しいことに1年経たないくらいで声をかけて頂きました。ということは、写真をやっているという認識ができたかなと思います。「この子は写真を撮っているんだ」ということですよね。

[黒田]
そうですね。衝撃的でしたからね。

[護]
何がだろう。

[黒田]
だぶん引く手数多だと思います。とても現実的なところもありますね。

[護]
急に現実になってしまうというか。

[黒田]
そのバランスって、極端すぎてもいけないし、思いはあるけど現実もあるよねという、とても絶妙なバランスがあるわけじゃないですか。それが大人ですよね。

[護]
大人です。カメラやっているから食べられなくなってしまったというのが一番困りますので。
生活の範囲でやりつつも、お金は使う。制作には労力やお金がかかっていると認識して、初めて人は応援してくれると思っています。このカメラも買うと昔よりも高いので、「そんな高いものを買ってまでやっているんだったら応援しよう」とか(笑)
未熟だけど頑張っている人を応援したいということで、それが1番わかりやすいものが、高い物を買うとか、写ルンですを箱買いするとかですよね。

[黒田]
想像以上に合理的で、現実を見ていますね。

[護]
とはいえ、別にそれが戻って来なくても後悔しないという気持ちは持っています。
撮った作品自体は残っていくので、それがここにかけたお金の成果だったら、それはそれで仕方ないというか納得できます。

[黒田]
それが今後の自分の資産としていい感じに活用できたら理想ですよね。未だに3年前に撮った写真を載せたいとかってくることもありますし、たぶん撮ったら一生、残りますし。

[護]
だから恥ずかしいものは出せないということですよね。

[黒田]
出し方にもよりますけどね。SNSには実験的に出したりもしますが。サイトを作って、そのサイトにまとめて載せるみたいな見せ方もしていました。だからフォトグラファーとしてのサイトを作るとか、面白い気はしますね。
というか、作ってほしいレベルというか。護さんを調べた時に「ここだ」という場所がないじゃないですか。SNSはフローなんで流れていってしまいますし。Instagramはギャラリーとかポートフォリオとして使う人も多いみたいですけど、自分はあんまりなので。

[護]
ちょっと弱いですよね。

[黒田]
ちょっと違うかなと思っています。スタティックにここに行けばこの人の写真と情報がわかるというのがトップダウンにわかるものがあるといいと思いますので、ぜひ来年の目標に加えて頂きたいです。

[護]
わかりました。そうします。

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