2017年11月23日
[黒田]
でも荒木さんもそうですけど、日常がやっぱり写真とすごい密接してるように感じます。それって極端な話、写真家として意識している中で行き着くところだと思うんですけど。もっとライトな層っていうのがいるじゃないですか。ライトな層で、ライトに楽しんでる人もいて、今それがすごい増えていると思うんですけど。
そういう時期っていうのは、荒木さん出会う前とか、あったんですかね?
[笠井]
それは、どうなんだろうね。
でも当時は、程なくして写真にはのめり込んじゃったんだよね。
たぶん知らないと思うけど、当時はワークショップ「コルプス」っていうね、十何年続いた写真のワークショップがあって。
校長先生が細江英公(*)さん、先生は森山大道(*)さんから、いろんな人がいて。ちょっと話すと、若干ややこしいんだけど。
[黒田]
初めて聞く名前です。
[笠井]
ワークショップは一期につき三ヶ月くらいやったのかな。当時から写真やってる人に、コルプスやってましたかって言ったら、結構いるはず。
自分何期ですって人はわりといると思う。僕は五期のときに行ったんだけど、うちの父親が舞踏家だから、当時舞踏家の土方巽(*)さんと細江さんが色々一緒にやっていた縁もあって、うっすら繋がってたのね。それで通っていた。
[黒田]
それもまた運命的な話ですね(笑)
[笠井]
行ったらもう、中はあの頃のコアなメンツで、そこではじめて大道さんとも知り合ったし。
[黒田]
大学卒業した後ですか?
[笠井]
大学に行ってる間。そこにはやっぱり、最初の黒田君のポートレート専科の話じゃないけど、写真に熱い人たちがすげー集まってるから、そこに入ったら負けれねーみたいな感じじゃん。
[黒田]
あ、なるほど。その気持ちはすごくわかります。
[笠井]
でしょ?僕ももちろん、写真いいなっていうところはすでに感じてたと思うし、だからそういう環境に行けて、すごい嬉しいなっていうのもあっただろうし。
[黒田]
そこがターニングポイントなんですね。そうするとあんまりライトな時代はないですね(笑)
[笠井]
ないんだよね。今になって思えばだけど、例えば長島有里枝(*)ちゃんとか、佐内正史君(*)とか、あの辺ともデビューする前から交流があったの、実は。
それもたまたまなんだけど、たぶん90年代半ばくらい、あの辺から結構写真ブームになった時代があって。HIROMIX(*)とか長島有里枝ちゃんが写真ブームを確かなものにしたんだよね。
[黒田]
長島さんの家族写真の頃ですか?
[笠井]
そうそう、家族のヌードをやったやつで。
昔、アーバンアート展っていう公募展があって、写真とかジャンル問わずのアート展なんだけど、僕は美大だったから、当時当然周りでも、みんな出す出すって言ってて。デザイン画でもいいし、とにかくなんでもいいわけ。そして一点は大賞に選ばれるという展示で。
とにかく周りがそれでざわついていて、僕は出さなかったけど賞を取るのは誰だっていうのは周りでもみんなすごく気になってたわけ。
そしたら、それが長島有里枝の写真だったのよ。写真が大賞になるとは誰も思ってなくて。
[黒田]
アート展ですもんね。
[笠井]
アート展だから。そこで写真がポンと出てきたのはすごく衝撃的で。
それもやっぱ、「 写真なんだ 」みたいな衝撃。
そこでまた自分の中の、ざわめきみたいな時代があって。その間にHIROMIX(*)とか、そういうのが出てきて、ある種それがブームになってって。
[黒田]
蜷川さん(*)とかも、それぐらいですか?
[笠井]
そう。実花ちゃんも、とにかくその頃って何故か横のつながりすごいあったんだよね。たぶん今とちょっと違うと思うんだけど、たとえば佐内くんとか、実花ちゃんも出会ってたし、HIROMIXも会ってたし、あと有里枝ちゃんとも会ってたし。
なんかみんな、独立した存在だったのよ。みんな誰々についてたわけでもないし、誰が師匠とかでもないし。みんな各々なんかやってたから、会うと「え、どういう感じなの」みたいな。
SNSもなかったから。
[黒田]
でもなんか、交流あるんですね。すごく素敵な関係に思えますそれ。
[笠井]
そういうわけで、時代自体が写真ブームみたいなところがあったから、ライトな時代っていうのはないかもしれないね。
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2025年06月27日 発行
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