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全曜日のパーソナリティに直撃!「あなたにとってのACTIONとは?」

全曜日のパーソナリティに直撃!「あなたにとってのACTIONとは?」

2019年7月26日 PR

安全圏の景色の中では、想定内の結果しか得られないから。

水曜パーソナリティ:DJ松永さん(Creepy Nuts)

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|ラジオ番組『ACTION』のパーソナリティ就任から、少し時間が経ちました。その後、いかがですか?

毎回、一喜一憂しています。出来不出来が自分で分かるので、よくなかった時は大変なんですよ。挽回できるのが次の回になるので、一週間ずっと凹みっぱなしになったり(笑)。

|その名の通りアクションを起こすことがテーマの番組ですが、松永さんは行動的なタイプですか?

自分ではよく分からないのですが、音楽を仕事にしたくて高校を辞めたので、アクションは起こす方なんでしょうね。

|それはすごい。超が付く行動派じゃないですか。

バイトでお金を貯めて、自主アルバムを制作して上京したので、そこだけ切り取ると行動派ですね(笑)。でも、自分で「腰が重いなあ」と感じることは日常的によくあるので、よほどやりたい事に関してのみです。

|アクションを起こす決断は、ご自身で? あまり周囲には相談しないタイプですか?

自分で決める事の方が多いかもしれません。あの時は「なかなか動かない性格なので、音楽しかできない環境に自分を追い込まないと」と考えまして。娯楽もゲームも全部捨てて、部屋にはレコードとターンテーブルしかない状態にしたんですよ。すべての時間を音楽に費やそう、好きなことに突き進もうと。

|将来のビジョンは描いていたんですか?

人生を俯瞰して考えて、その上で「すべてを音楽に賭けよう」という決意したのかどうかと言えば、そこまでの覚悟はなかったですね。それなりに夢はありましたし、中学や高校では友人と語ったりもしましたが、今思えば「後先を考えず勢いで決めたなあ」という印象の方が強いです。

|でも、学校をやめて音楽の道に踏み出すというのは、なかなかできませんよね。

そうですね、学校でも友人たちとの温度差がどんどん開いていきました。でも、進学や就職が近づいてくれば、だんだん現実を見るようになるのは当然のことですから。何もかも犠牲にしてまでやりたいことが見つかる人の方が珍しいでしょうし。

1990年生まれ。新潟県出身。ターンテーブリストでトラックメーカー。MCバトル日本一のラッパー・R-指定とHIPHOPユニット・Creepy Nutsとして活動。

|松永さんの場合は、それが見つかったわけですね。

本当に「たまたま」なんですけどね。学生時代の夢をつかんでも、それがよかったのか悪かったのかは分かりませんし(笑)。安定した職に就くという決断だって、重みは一緒ですから。各自が選んだそれぞれの道で、やるべきことをやることが大切なんだと思っています。

|松永さんにとって、行動する意義とは?

色んな物事を自分で細かく選択出来る時代になったし、むしろ自分の頭でしっかり考えないと、あらゆる場面で損をする機会が増えたような気がします。学校や社会でも、ずっと見過ごされて来た理不尽な決まりごとに誰かが疑問を唱えたり、「このルールは本当に意味があるのか?」と見直されることも多い。自分で考えて行動する意識は高まってるように思います。

|なるほど。確かに、何も考えずに受け入れればよいとシーンが減っているような。

むしろ、言われたことを守って、決められたレールをそのまま走る方がラクな場面ってありますよね。たとえ毎日同じ内容の仕事をしていても、こう連休が多くなると、日々活動しているルーティンの思考が解けてしまったり(笑)。

|あるある(笑)。ライフスタイルの変化もありますね。

「アクションを起こす」という機会が増えているんだと思います。働き方改革の時代ですが、休みが増えれば、改めて仕事に向かう一歩を重く感じることになりますよね。社会全体が洗練されても無思考でラクに進めるわけじゃない、むしろ考えて行動することが問われる時代になってきたような気がします。

|松永さんも、考えて行動されていますか?

最近で言えば、仕事においては考えるようになりましたね。学生時代は「では今日からこの皆さんで共同生活してください」とクラス分けをされました。もちろん選択の余地なんかなくて、気の合うヤツも、合わないヤツも一緒。逃げられない教室の中で友だちを探したわけですが、これが大人になると一変します。校舎から出ると、自分で選べるようになる。特に、クリエイティブな道に進むと、毎日同じ職場に通う必要がありませんし、嫌いな人に作り笑いしながら生活しなくてもよくなるわけですよね。

|クリエイター系の仕事を選ぶと、特にその傾向が強まりますよね。

俺の場合も、“Creepy Nuts”というプロジェクトの中心にいますので、仲のよい相方と組んで、気の合うスタッフが多い会社と契約して……と、自分が心地よい環境を目指せなくもありません。でも、仲がよい人ばかりの環境に身を置くと緊張感が消えますし、経験したことの範囲内でしか物事が回らなくなる。そうではなくて、よい意味での事故も起きなければ刺激的な出会いもないし、自分の想像を超える何かも得られない。時には安全を確認していない橋も渡ってみたいし、最初の印象だけで付き合う人を決めてはいけない。最近は、強くそう思うようになりました。もちろん、全力でガス抜きが出来るような環境は持っておきつつですが。

|心地よい時間は大切にするけれど、ラクな道ばかりを選んではいけないということですね。

ええ。俺のような性格の人間は、自分自身にある程度の負荷をかけていないと、甘え放題になるな……と。30年後の自分が「大変だったな」「遠回りしたな」と苦笑いするような経験も、アクションとして重ねていきたいと思っています。

 

>”時間は有限”を認識する。
木曜パーソナリティ:羽田 圭介さん

 

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