2019年11月28日
東京アートディレクターズクラブ 「AIDS(since 1980)」 ポスター(
1993年撮影)
[黒田]
僕とかって次世代のフォトグラファーって外から言われることがすごくあって。商業の世界に入るようになってから付き合いが広がってそう認知されるようになりました。今回のお話もそうですし、今年の頭にAPAで開催したCP+セミナーもそうです。
自分は好き勝手やってるだけなので、ずっと写真をやっている方に対するコンプレックスというか、目立つことへの申し訳なさのような気持ちが常にあります。
その一方でこのルートも大切だと思うようになりました。自分以外にもフォトグラファーとかクリエイターがネット文化の発達によって増えて来ていて、キャリアチェンジしていきなりフォトグラファーになる人があらわれたり、キャリアシフトして両立していくような人が出てきたり。そしてそういう道をつくることに貢献出来たらいいなって思ってヒーコも活動をしているんですけど。
会長(白鳥)とかこの道をずっとやっている人からみるとそういう動きはどうなんでしょう?
[白鳥]
難しいんだけど、やっぱりね、スマホで写真が撮れるとかって想像もしていなくてね。ここまでいろんなものが拡大していくとも思わなかったわけ。だからちょっとね自分でも見当がつかないし、今後こうしていけばこういう道が開けるよとも言い切れないんだけど。
ただ確実にカメラマンになりたい人が減ってきてるんですよ。「これは!」っていう仕事ができる人が少ないんだよね。それに比べてクライアントの要求がでかいし。だから広告カメラマンっていろいろな人の言う事を聞かないといけないので、かっこ悪いって思う人が出てくるんですよ。スタジオマンは雑誌のカメラマンになりたいって思う人が多いらしいんですけど、独立したらギャラは広告の10分の1だと気づく。でもマジョリティーは写真だけじゃ食っていけないって考えている人がどんどん増えてきていると思う。
ラフォーレ原宿 Laforet 年間キャンペーン 「NUDE OR LAFORET.」 ポス
ター(1997年撮影)
[黒田]
でも、そこはいい意味でのバランスというか、まあフルタイムの人が増えはしないけれど100の仕事を10人で回す時代から、100の仕事を100人で回すことがあってもいいかなって思うんですよね。自然の摂理として。フルタイムのフォトグラファーでやっていた人からみると、仕事がなくなるっていうことになるんでしょうけど。ただこういう社会にAPAとして、広告業界として寄り添っていくのかという悩みも出てくるんじゃないかなとは思います。
[白鳥]
僕が会長になってからは、雑誌とかやっている人も入れるようにしている。昔は広告じゃないとダメっていう排他的なところがあったんだけど、写真でお金を稼いでいるならみんな入ればいいんじゃないかって思って。写真というものを自分の糧として稼いで生きている人たちはみんな「写真家」と呼ぶべきなんだよ。だからね、僕は新入会員の審査はね、ほとんど丸つけるの。
[黒田]
そうなんですか。
[白鳥]
レタッチャーだとかCGオペレイター、美術等、映像を創っている人も入れるべきだと思っているんですよ。広告写真っていう枠組みじゃなくてね、いろんなメディアに載る写真全てを撮っている人たちがクリエイターだっていう考え方で。クリエイターっていう言葉の中にはもっと詰まっているはずだからね。
[黒田]
それめちゃくちゃいいですね。
[白鳥]
ただ今はまだそういうことをムーブメントとして作れていなくて。単発で何人かを入れることはできるんだけど。
[黒田]
そうですね、単発でポツンとなってもよくないし、継続的に入る仕組みが欲しいですよね。
[白鳥]
例えばムービーだと、基本一匹狼なんだよね。自分のスタイルは見せないし。広告の人たちが元気良かった頃は懇親会みたいなのでお互いの仕事の話をしながら飲んだりしていたけど。
[黒田]
広告写真に限らずクリエイターとして集まる会を作ることができたらいいですよね。業界として人が減っていることは悲しいことですし、そこに対してリードできるクリエイターの集団がいればいい気がしています。そういうところに今までのキャリアとか写真のクオリティーに限らず、年齢も地域も関係なくコミュニティーができていければいいですよね。年寄りも地方も関係なく。それを是非、白鳥会長の代でできれば。
[白鳥]
いやいや。もうそろそろ(引退)と思ってるんだけど…。
[黒田]
困ります!(笑)
今日はありがとうございました。これまでのこと、現代のこと、未来のこと、いろいろなお話が聞けてよかったです。これからもよろしくお願いします!
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2025年04月25日 発行
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