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雪国では「いつかはクラウン」じゃなく「いますぐスバル」かも

雪国では「いつかはクラウン」じゃなく「いますぐスバル」かも

2018年2月22日

1月末に、SUBARUのAWDを乗り換えながら、青森から岩手県の安比高原まで走るチャンスがあった。

まずは新幹線で新青森まで行き、奥羽本線(なんだか昔の響き)に一駅乗って青森駅へ。どうして駅をくっつけなかったんだろう・・・?

夜の青森駅を出てみたら、路面は完全ドライだし、雪は路肩に少しだけで、雪道走行テストを期待して来た私はちょっと拍子抜け。

でも、翌朝ホテルの部屋から窓の外を見たら、一面銀世界になっていた。

青森駅は、すぐ先が海で、ちょっとエキゾティックな感じ。その昔は青函連絡船乗り場でもあったのを思い出した。

青森駅脇からまず乗って走り出したのは、現在のスバルの屋台骨とも言えるインプレッサのSPORT 2.0i-L。

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レヴォーグなどもそうだが、最新のインプレッサは、ハードもドライブ・クウォリティもぐっと上質になり、こんな路面でも楽ちんだ。

雪道を走るときは、走行性能はもちろんだが、ウィンドウが曇らないとか、へんなところが凍結しないとか、も大切なこと。それがあって安心&楽ちんドライブができるということになる。その点でもこのクルマは合格。唯一残念だったのは、走行中に巻き上げた雪がリア全面に貼りつき、せっかく装備されていたリアヴューカメラが、すぐに見えなくなってしまったこと。

八甲田山に向け、山の中に入って行ったら、前方に発見!

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ヘルメットとゴグルでの雪中乗馬だった。かっこイイ! これぞ4駆。1馬力だけど。

そしてまず辿り着いたのはここ、八甲田山中の酸ヶ湯温泉。

ここ、”人間が住んでいる場所”での積雪世界記録をもってるらしい。6m以上だとか! そんな積雪量なんて想像がつかない。当日は2mほどだったが、インプレッサは全く問題無く走破。

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せっかくなので、ジャボンと素早くお湯に浸かってきた。茶色く濁ったお湯で混浴!

中で写真を撮ってSNSに投稿する輩が出て、こんな無粋な看板と、中にも「ここから先は男禁止」みたいな看板が。実際には湯煙でよく見えないから、だいじょうぶ。たぶん。

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スバルは、スウェーデンのボルボなどと同じく、4輪駆動を「AWD」と呼んでいる。All Wheel Drive、全輪駆動の略だ。

全世界でのスバルの販売の98%がAWDだそう。

雪国に住むなら、やはり4輪駆動を買う。なんと言ったって雪道での信頼性が高いから。この辺りではすれ違うクルマにスバルが多かったのは事実。

酸ヶ湯の先は雪で通れず、少し戻ってから先へ進むルートだったが、その下りで、前を走っていたクラウンが横滑りして雪壁に激突! 雪国では「いつかはクラウン」じゃなく「いますぐスバル」かも。

奥入瀬渓谷を経て、十和田湖に着き、そこで乗り換えたのはスバルXVの2.0i-S。

ごく粗く言ってしまえば、インプレッサのSUV版だ。SUVといっても、背はあまり高くなく、クロスオーバーと呼ばれるジャンルになるか。

なので、これも粗く言ってしまえば、インプレッサと同じ走りぐあいだ。

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上のショットは、十和田湖から発荷峠を下って、秋田県は小坂町へ下ったところ。(秋田県に入ったのに気がつかなかった・・・)  小坂町は、明治時代後期に銅鉱山として栄えたところだそうで、町全体を近代化産業遺産として保存して遺している。 バックはその鉱山事務所だった建物で、国の重要文化財だそう。

雪道を走ると、リアはこんなで、上にも書いたが、せっかくのリアヴューカメラはすぐに見えなくなってしまうのは残念。熱線入れるとか、なんとかなるといいのだが。

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こちらのバックは、これも重要文化財の「康楽館」という芝居小屋。当時大勢いたのであろう鉱山労働者の娯楽のために建てたのであろう。荒くれ者で賑わっていたのでしょう。

今も使われていて、東京から歌舞伎も公演に来るとのこと。

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見学したら、舞台下で人力で動かす回り舞台もあり、凄い!

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こちらは楽屋。有名な役者さんのサインがそこらじゅうに書かれていた。

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旧い貴重なサインがある壁はガラスでカバーされていた。一見の価値ありだ。

そしてすぐ近くには、9年前に廃線になった小坂鉄道の駅が。

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保存されている保線用車両にはスバルと同じ富士重工製のものが数両あった。

こちらの立派な除雪車も富士重工製。

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なんとトリセツも残っていた!

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鉄チャンは必見。

XVで高速を走っていてわかったこと。アイサイトによる車線逸脱警告が、路肩のほうの白線のすぐそばまで雪が残っていると、検知できなくなること。カメラのみでやっているのでしかたないところだが、将来的には進歩させて欲しい。

そして、今回履いて走ったのは、ブリヂストンの新しいスタッドレスであるBLIZZAKのVRX2。

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とてもおとなしい(全方向な)性能で、安心して走ることができた。

SUBARUのAWDで青森から安比高原まで走った、ショート・トリップ。

最後に体験したのは、安比高原スキー場で行われていた、スバルのPRアクティビティ、ゲレンデ・タクシー。

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安比スキー場の一番下のなだらかなゲレンデで行われていたこれ。ゲレンデの端っこを閉鎖して、スキーヤー&スノウボーダーを、リフトの代わりにスバルで上に運ぶというイベントだった。

左端の、リフトの下に見えるところから、右上までがコース。右上のほうに、小さく2台が上がって行ってるのが見える。

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ドライバーはラリードライバーを起用していた。

上まで到着すると、「下りも乗ってみたい。」と言われて、結局は往復することが多いそう。それはわかる。下りのほうが面白そうにみえるから。

確かに、面白いし、AWDの性能をわかりやすく伝えるPRとしては、理解できる。わかりやすい。

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でも、個人的には、自然の中の静かなスキー場の環境に与える影響についてちょっと心配な感じがした。ゲレンデを狭くしちゃってるし。スキーヤーの皆さんはどうなんだろう。

ま、なにはともあれ、今シーズンは、あと八方の栂池と苗場で開催されるそうで、乗ってみたいかたは是非。

試乗後、盛岡から新幹線で帰京したのだが、乗ってから仙台、郡山を過ぎたころまで窓の外は雪無し。それが、東京に近づくにつれて真っ白になってしまった。夕方に東京に着いたころには、電車も道路も大混乱。例によって、雪にまるっきり弱い東京だった。

なんでも、首都高のC2山手トンネルでは、10時間も閉じ込められていたのだとか!

これでは、雪国だけじゃなく、東京でも「いつかはクラウン」じゃなく「いますぐスバル」かも?


 

OSAM MORIKAWA / 森川オサム

1949年 東京都出身  都内在住
慶應義塾大学工学部時代からラリー、レースに参戦。 ラリーでは、世界選手権ラリー・モンテカルロに7回参戦のほか、近年もラリー・モンテカルロ・イストリークに6回参戦。
伊、米のハイテク企業にエンジニアとして勤務後、英国自動車メーカーの日本法人ローバージャパンで、プロダクト・マーケティングやブランド・マーケティング、広報を担当。 統合などにより、独BMWを経て、2008年春までランドローバージャパンでマーケティングと広報を統括。
現在はチュリニ・インク代表。 同時に、放送作家・脚本家 小山薫堂氏率いるオレンジ・アンド・パートナーズ社顧問を務めながら、自動車とライフスタイルにひとこと。
他に趣味としてビートルズ・バンド活動と吹きガラス制作に邁進中。
(日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員)

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