2023年7月3日 PR
製造業の国内回帰に関する報道が相次ぐ昨今。2000年代半ば前後から急速に進んだオフショア開発の波を思うと隔世の感があるが、当時も国内生産にこだわる気骨あふれる企業は少なくなかった。
1997年創業の株式会社プルーム(東京都港区)が2008年に立ち上げた革製品ブランド『アニアリ』は、「日本の革」にこだわるドメスティックブランドだ。こだわりと書くと軽く感じるかもしれないが、日本国内生産の同社オリジナルレザーはブランドの基盤にして根幹、存続の前提にまで達するレベル。新たな製品を着想すると、タンナーとともに新しい革を試作し、そこからデザインを考えるという素材最重視の姿勢が、革愛好家を惹きつけてきた。
世の趨勢に関係なく「日本」一択。近年は品質面でも成熟を見せる海外製造の利点を認めつつ、それでも同志たちと膝を突き合わせながら革製品を究めることに歓びを見出してきた同社。現在は鞄や財布などを扱うが、人が使う道具を作るという意識が極めて強く、作り手のエゴを戒める。職人なら理想を抱くべきだが、道具である以上は使う人がいるという現実も直視すべし。ブランド名の「アニアリ」からして、理想と現実のバランスを意味する造語なのだとか。
そんな考えから、華美な装飾や過剰な多機能性は一切排除しているため、製品は必然的にべーシックかつオーセンティックなものになる。用途を限定しない汎用性を重視し、その製品に必要な機能だけを載せたら、その余はすべて削ぎ落とすという大胆なモノづくりが同社の身上なのだ。
その分、製品の完成度は極めて高い。鞄なら「あるべきポケットの位置」「肩に当たる部分のストレスを和らげるデザインと素材」といった要素が事前に議論され尽くされているため、飽きずに使えるどころか一度愛用すると他のブランドに乗り換える必要を感じなくなるのだ。デザインの時代性に目配りしつつも「人は鞄をどう使うのか」をエンドレスに自問自答するのが好きだと代表自身が言い切るのだから、推して知るべし。このほとんど求道者を思わせる信念の強さが、戦略的なマーケティングをほぼ放棄しているにも関わらず、約15年にもわたり国内製造を貫けるだけのファンを集め続けてきたわけだ。
ケアを面倒に感じない、そのモデルを選んだ自分を褒めたくなるような革の魅力。製品は足立区の同社生産部で製造しており、裁断や縫製は周辺の工場にも協力を仰ぐ。社内では営業系と生産・管理系のスタッフが互いの仕事を知るジョブローテーションを導入し、全員でブランドを動かし、議論を交わし、モノづくりを共有。人間の好奇心に部署など関係ない、誰もが積極的に意見を出すべきというのが同社のスタンスだ。
それもあってか、同社製品は色や質感のバリエーションが非常に多い。ビビッドな色が映えるのか、スモーキーに仕上げるのかの判断で、同じ革でもまったく異なる製品に仕上げるのだ。姿勢は頑固一徹でも、発想は自由に広げることができるので、コレクションも自然とワイドに。そして今日・6月30日、同社の最新作となるブリーフケース3種が発売の日を迎えた。
アニアリの製品は、青山の同社直営ショップで手に取ることができる。その醍醐味は感触と質感なので、とにかく実物を手に取っていただきたい。仕事の相棒に相応しい商品を見つけたら、在庫からニュアンスが異なるモデルを提案されたりして、さらに頭を抱えて悩むことができる。これもまた、革を愛でる愉しみなのだ。
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頑固でいて、実は自由なモノづくり
アニアリ青山店
東京都渋谷区神宮前5-46-12 1F
TEL.03-6805-0785
営業時間/11:00〜20:00 毎週火曜定休(年末年始を除く)
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2025年04月25日 発行