2025年8月28日
シス・カンパニーの最新舞台『ライフ・イン・ザ・シアター』の上演が9月5日に迫ってきた。米国を代表する劇作家の一人デヴィッド・マメットの作品で、ベテランのロバートと若手のジョンという二人の舞台俳優が劇場内で交わす会話から感情の動きや関係性の変化を描く濃密な人間ドラマだ。
この難しい二人芝居に、誰もが納得のお二人が登場。今回は、確かな演技力で存在感を放ち続ける堤真一さんと、コメディからシリアスまで演じ分ける実力派の中村倫也さんに、本作への意気込みを訊いた。
|最近ではCMでの共演が話題になりましたが、初共演はやはりシス・カンパニーの公演だったそうですね。
中村 2009年の『バンデラスと憂鬱な珈琲』ですね。僕は20代前半で、堤さんの「お前は焦らなくても大丈夫」という言葉が忘れられなくて。
堤 初めて会ったのは、共演前の飲み会だったよね。僕は人の顔と名前を覚えるのが苦手なのですが、彼のことはよく覚えているんです。
|1997年の日本初演では、今回ロバート役を務める堤さんがジョンを演じておられましたね。
堤 あの時は30代でした。歳を取るはずですよねえ。
|お二人も、作中の彼らのように演劇談義を戦わせたりしますか?
堤 いや、全然(爆笑)。
中村 言われてみれば、ほかの俳優仲間とも、芝居の話はあまりしないですね。
堤 昔はそういう空気もありましたけどね。もちろん稽古では別ですし、若い子からの相談があれば聞きますが、最近は「帰ったらジョギングしなきゃ」とか考えたり(笑)。
|堤さんは、台頭する後輩に複雑な感情を持つロバートの気持ちが分かりますか?
堤 いいえ。欠点を含めて、ここにいる自分は僕しかいませんから、人のことよりも「今」に全力で取り組むように努めています。と言うか、組織内で競争した経験がないせいか、若い俳優が伸びてくると、むしろ嬉しいですね。「お前、頑張ったなあ」と、親戚のおじさんみたいになります(笑)。
|中村さんは、二人芝居のご経験は?
中村 初めてです。稽古を始めると、脚本の印象以上に「こんなに大変なんだ」と驚きました。体力
的な話ではなく、場面ごとに微妙に異なる「間」の取り方とか。
堤 そのあたりは、さらに詰めていかないとね。翻訳劇ですから、もとの脚本の間との違いも出てくるし。
中村 翻訳劇は英語と日本語との微妙なニュアンスの差もありますから、しっかり詰めないといけませんね。
|では、本誌読者へのメッセージをお願いします。
堤 日本を支えてくださっているビジネスパーソンの皆さんに僕が言えることなんて…(笑)。
中村 今はハラスメントに当たらない指導が必要ですし、これまで築き上げてこられた経験もAIが学習しますし。本当に難しい時代だからこそ、人間力が問われますよね。
堤 AI、すごいよね。亡くなった方を再現したり。でも、僕はスマホも電話しか使ってないから、何も言えない(笑)。
中村 では、僕が締めますね(笑)。ミドルエイジの方はロバートに、若い方はジョンに共感できる部分も多いと思いますので、二人で頑張ります。ぜひ劇場にお越しください。
堤真一 & 中村倫也 二人芝居 『ライフ・イン・ザ・シアター』
作:デヴィッド・マメット 翻訳:小田島恒志 演出:水田伸生 出演:堤真一、中村倫也
【東京公演】 2025年9月5日(金)~9月23日(火祝)
【公演会場】 IMM THEATER
〒112-0004 文京区後楽園1丁目3-53
※劇場内の移動は階段のみとなります。
【チケット】 当日券あり ※要お問合せ
※2025年9月27日より10月26日まで、京都・愛知・大阪・愛媛・宮城にて順次公演
【お問合せ】 シス・カンパニー TEL.03-5423-5906(平日11:00〜19:00)
【写真左】 堤 真 一 さん
兵庫県出身。舞台、映像で幅広く活躍中。最近の主な出演作は、舞台『A Number-数-』(2024)、映画『木の上の軍隊』(2025)など。他に、10月からのNHK連続テレビ小説『ばけばけ』、11月7日には映画『旅と日々』が公開予定。
【写真右】 中村 倫也 さん
東京都出身。最近の主な出演作は、舞台 劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演いのうえ歌舞伎『バサラオ』(2024)、ドラマ『Shrink-精神科医ヨワイ』(2024)など。現在W主演ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』に出演中。声の出演をする映画「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」が12月5日に公開予定。
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2025年07月25日 発行
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