Special Issueビズスタ特集

伝説の職人「大塚」が築いた国内最古の「靴メーカー」

伝説の職人「大塚」が築いた国内最古の「靴メーカー」

2018年4月26日 PR

文明開化による最古の靴メーカーの誕生

明治5年、激動の幕末、そして明治維新を経て、新たな日本への文明改革が次々と進められていた頃。明治政府は、ついに宮中の正服を「洋服」と定めた。14歳の青年が東京新橋で小さい靴メーカーを開業したのはそんな年である。青年の名は「大塚岩次郎」。後に日本の靴産業の父と称される人物である。武士の子弟であった岩次郎は、武士に代わる新たな職として、「靴職人」としての人生のスタートを切った。

同じ年には、新橋駅と横浜駅(現在の桜木町)の間に日本初となる鉄道が開業。まだ靴が珍しい時代だったため、岩次郎は欧州帰りの役人が履いていた英国靴を頼み込んで譲り受けた。その貴重な靴を研究のために分解するなどの方法で技術研鑽に明け暮れた。当時どんなに遅い時間に店の前を通っても仕事に打ち込む岩次郎の姿に心を打たれ、自ら支援を申し出る皮革商もいたほどだったという。

 パリ万博で世界に名をとどろかせる

「日本人の足に合う靴をつくる。」そのために岩次郎は履く人の足を計測し、一足一足を手縫いで仕上げた。英国靴を譲りうけた紳士に、その靴の代わりとして返した岩次郎の手製の靴は「全く英国靴にもまさる立派な出来である」と大変喜ばれたそうだ。次第に力をつけていった岩次郎は、国内博覧会の最高賞のみならず、明治17年にロンドン万国衛生博覧会で銀牌、明治22年には、かのパリ万国博覧会でも見事に銀牌を受賞。日本の技術を世界トップレベルに押し上げる立役者となった。その間、創業からわずか10余年のことである。

〈写真〉
シューマニュファクチャーズ[オーツカ] アデレード(ブルー) 50,000円(税別)
ブルーの色合いが鮮やかなこの靴は職人が一足ずつ手で色を塗り上げているというのだから驚く。
オーツカ東京工場によるグッドイヤウェルト製法。見た目だけでなく履き心地も素晴らしい。

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