Special Issueビズスタ特集

寒いからこそ味わえる温かさもある。

寒いからこそ味わえる温かさもある。

2017年1月26日

「お篭り化」が進む現代だが、社会も経済も「外出」と「交流」から始まる。商売繁盛の酉年、仙台と自分自身のために、もっとアクティブに。

お篭り旅にお篭りステイ、お篭りデート。最近「お篭り」という表現をよく見かける。もとは願掛けのために神社や寺に参籠(さんろう)することを指す言葉のようだが、年始の賑わいが落ち着き、寒さが身に染みるこの季節には、何とも魅力的に感じるのが正直なところ。
タブレットやスマートフォンが普及し、家の中に篭っていても「愉しみ」に囲まれている現代。昨年末に国土交通省が発表した平成27年度の全国都市交通特性調査によれば、「調査日に外出した人」の割合や、「一日に移動した回数」が、昭和62年の調査開始以来、最も少ないという結果が出たそうだ。高齢化が原因かと思いきや、それよりも若者の「お篭り化」が顕著なのだとか。20代の休日の外出回数が、70代のそれよりも少ないと言われると、さすがに少し心配になるというものだ。
寒いと自然に足も鈍るが、そんな季節だからこそ、出かけ甲斐もある。私たち大人の世代は、公私にわたって「冬の魅力」を経験してきた。特に、ここ東北は、寒さが厳しい分だけ四季の豊かな美に恵まれる土地だ。上の写真は、山形県尾花沢市の徳良湖の風景だが、春の桜や秋の紅葉だけでなく、見事な雪景色でも人気が高い。
寒いからこそ際立つ贅沢な美景、大人の愉しみ。それを知るには、まず外に出てみることが第一歩となる。社会も経済も、人と人が出会い、意思疎通を図り、交流を持つことで豊かさを増す。自分の世界に没頭する時間も大切だが、外に出てこそ巡り合える新しい感動も、バランスよく味わっていきたいものだ。
今年は酉年。「酉」果実が十分に熟した様子を表す文字とされ、「取り込む」という語感につながることから、商売繁盛につながる年と言われているようだ。発展を続ける仙台に住むだけに、できるだけアクティブに動くことで、地域経済と自分自身の「心育て」の両面に貢献したい。

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