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現実と幻想が交錯する奇妙で美しき世界で、人々の孤独と希望を描く。

現実と幻想が交錯する奇妙で美しき世界で、人々の孤独と希望を描く。

2025年9月25日 PR

村上春樹の短編集『神の子どもたちはみな踊る』を原作に、日本映画界屈指の豪華キャストとスタッフが集結して映像化した『アフター・ザ・クエイク』。世界が大きく変わったこの30年、それぞれの時代と場所で4人の主人公たちが抱く孤独と、その先の希望を描き出す物語だ。

はじまりは、阪神・淡路大震災が起こった1995年の東京。主人公・小村の妻・未名は震災のニュースを見続けていたが、突然家を出て行く。失意の中、小村は後輩に託された謎の箱を届けるため北海道・釧路へ。空港で出迎えた女性たちに、奇妙な体験へと導かれる。一人目の主人公・小村を演じた岡田将生さんにお話を伺った。

―小村について、どんな印象を持たれましたか？ 

小村はどこにでもいそうなキャラクターで、自分の意思を持たず、その場に流されていく人間だと感じました。物語の中では震災後、亡くなった方々の名前が淡々とテレビで読み上げられます。悲しみがあふれていて、それをどう受け止めてどう動くのか。何も動けないのが小村で、少し「閉じている」人間なんです。ただ、どう生きていくか彼なりに判断しなければならないので、完全に閉じているわけでもない。「からっぽ」という表現もありましたが、本当にからっぽな人間はいないと思いますし、むしろ自分からからっぽと言える勇気はすごいと思ったり、人間って多角的に見ると面白いなと感じました。

―謎めいた、解釈が難しい作品ですが、演じる上で苦労されたことは？

そうですね。小村のキャラクターも僕の解釈が正しいのかわからなくて、すごく時間がかかりました。監督やスタッフの皆さんと話し合って作っていく現場はとても有意義でしたが、正解を出さなければならないのかという恐怖はどこかにありました。でも、答えは無限にあるのではないかと感じています。決めてしまうと型にはまって面白くないので、なるべくフラットな状態で思考を巡らす、という現場でした。

―主人公が渡される「箱」が印象的ですが、中身は何だと思われましたか？

むしろ何が入っているように見えたか、皆さんに聞きたいです（笑）。たぶん映画のどこかで提示されているんですが、きっと正解ではない。現場でも「何が入っていたんだろう」と話していて、こうじゃないか、ああじゃないかと考える時間が楽しかったですね。観る人の価値観によって変わるだろうし、明確に答えを出さなくていいのではないかと思っています。

―最後に、この映画全体の魅力についてお聞かせください。

ドラマでも描かれたそれぞれの物語ですが、4つの話が一つになることでより鮮明に震災を描き出し、10年先、20年先も観られることで、風化させてはならないことを思い出させ、考えさせられる映画になっていると思います。また、4つの話は年齢とその時置かれている状況で感じ方が変わるのも面白いですね。地震が起きたその場所ではなく、離れた場所にいる人間たちを描いているからこそ、見えてくることがあるのでは、と思える作品です。

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俳優　岡田将生 さん

1989年8月15日生まれ。東京都出身。2006年デビュー。近年の主な出演作に 映画 『ラストマイル』 (2024)、『ゆきてかへらぬ』 (2025)、NHK連続テレビ小説 『虎に翼』 (2024)、ドラマ 『ザ・トラベルナース』 (2024)、『御上先生』 (2025)、NHKドラマ 『地震のあとで』 (2025) などがある。また、11月21日には細田守監督最新作 『果てしなきスカーレット』 が公開予定。初出演となる韓国製作ドラマ Disney＋オリジナルドラマ 『殺し屋たちの店』 シーズン2の配信も控える。

 

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アフター・ザ・クエイク
2025年10月3日（金）全国公開

出演：岡田将生、鳴海唯、渡辺大知／佐藤浩市
原作：村上春樹 『神の子どもたちはみな踊る』 (新潮文庫刊)より
監督：井上剛　脚本：大江崇允　音楽：大友良英
配給：ビターズ・エンド

@2025 Chiaroscuro／NHK／NHKエンタープライズ

STORY
1995年、妻が姿を消し、失意の中訪れた釧路でUFOの不思議な話を聞く小村。2011年、焚き火が趣味の男と交流を重ねる家出少女・順子。2020年、“神の子ども„として育てられた善也。2025年、漫画喫茶で暮らす警備員・片桐。世界が大きく変わった30年、人々の悲しみや不幸を食べ続けたみみずくんが地中で再び蠢きだした時、人類を救うため“かえるくん„が現代に帰ってくる―。誰もが抱える孤独を、マジックリアリズムを交え描き出した先に提示されるのは人との繋がり、そして目に見えない想像力の大切さ。時代も場所も異なる物語が繋がった時、「未来はあなたの想像力次第でどんな風にも変えられる」というかえるくんの言葉に導かれ、たどり着いた答えとは―。日々目まぐるしく変化する時代に生きる私たちが、再び大切なものを見つけ出すための物語がここにある。

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