Special Issueビズスタ特集

小説家を翻弄する濃密な愛憎劇。

小説家を翻弄する濃密な愛憎劇。

2022年11月24日 PR

松尾スズキさんが手がける期待の最新作『ツダマンの世界』は、昭和初期から戦後を舞台にした狂気のメロドラマだ。中年の小説家、津田万治=ツダマンは幼なじみに戦争未亡人との結婚をすすめられるが、彼には女優の愛人がいる。

そこに弟子志望の青年が現れたり、徴用令状が届いたりすることで、万治の周囲の愛憎関係は複雑に絡み合っていく。豪商の三男坊で自己愛と名声欲が強く、万治を翻弄する弟子を演じる間宮祥太朗さんに、舞台の魅力を伺った。

あらすじを読んだ感想をお聞かせください。

登場人物たちのナルシシズムと思惑が複雑に交差して、こんがらがっている印象。そこに主人公が振り回されていくようなお話ですね。混沌としているけれど、それを引きで見た時に人間の滑稽な部分が現れて、すごく面白い。

松尾さんの作品は世界観も登場人物も個性的なんですが、すごく「まっすぐに変わっている」というか。本人たちは本当に一生懸命生きているけれど、第三者には滑稽に見える。その姿に求心力を感じます。

ご自身の役の印象はどうですか?

僕が演じる葉蔵は、わりと周囲をかき混ぜる役ですね。やることなすことがとても罰当たりで、現金で、状況や人に甘えながら生きている。

だけど葉蔵が「小説家になりたい」と思う気持ちはわからなくもないんです。自分が進んでいくレールが見えちゃうと、そこから「逸脱したい!」と思うことは理解できますね。

舞台となる戦前、昭和のイメージや魅力とは?

活気や人々の胆力みたいなものが今とは全然違う。そのパワーをすごく感じます。僕は来年30なんですが、30歳の面構えがどんどん幼くなっている気がするんです。昔はもっと大人っぽくて、迫力があった。胆力なのか経験なのか、顔からにじみ出る何かが、時代をさかのぼるほどに強くなる印象があります。

それから、小説や演劇、舞台に触れることは今よりもっと自然だったのではないかと。そういう娯楽が当たり前に身近にあったのは、素敵だなと思います。

昭和初期の文学青年を演じる上で、参考にしようと思ってらっしゃることは?

松尾さんには葉蔵のイメージをつかむために太宰治に関する本を読んでほしいといわれています。それと、昔の小説家は「この小説を書いている人はこうであってほしい」という偶像を自分で意識しているような部分があったというのを聞いて、なるほどと思ったり。

文豪の変な行動を取り上げた記事なども目にするので、小説だけでなくそういったことからもエッセンスを抽出して、演技に混ぜていけたらなと思っています。

最後に、舞台への意気込みと、お客様へのメッセージをお願いします。

久しぶりの舞台が松尾スズキさんの作品で、すごくうれしいですし、稽古も楽しみです。あらすじを読んだだけでは想像できないような演劇になるだろうし、その予測のつかなさを楽しんでいけたらいいなと思います。

また、舞台はお客様との距離が近く、反応を直接感じられるのも魅力ですね。今回の舞台に立った時どんな景色が観られるのか、とてもワクワクしています。『ツダマンの世界』、ぜひ楽しみに待っていてください。舞台でお会いしましょう!

俳優 間宮祥太朗 さん

1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。 O型。2008年、ドラマ『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』で俳優デビュー。演劇でもその演技力を発揮し、幅広く活躍している。舞台「露出狂」、「銀河英雄伝説」、「ナイスガイ in ニューヨーク」映画では「帝一の國」「お前はまだグンマを知らない」「トリガール!」「全員死刑」(2017年)。ドラマ「僕たちがやりました」(2017年)、「BG~身辺警護人~」(2018年)、「ナンバMG5」(2022年)など、数々の作品に出演。

COCOON PRODUCTION 2022 『ツダマンの世界』

③

■2022年 12月23日(金)〜29日(木)
全席指定…S席/11,800円 A席/9,000円 (税込・全席指定 未就学児入場不可)
ロームシアター京都
作・演出:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ、間宮祥太朗、江口のりこ、村杉蝉之介、笠松はる、見上愛、
町田水城、井上尚、青山祥子、中井千聖、八木光太郎、橋本隆佑、河井克夫、
皆川猿時、吉田羊

公演詳細はこちら

キョードーインフォメーション

COCOON PRODUCTION 2022 『ツダマンの世界』
TEL: 0570-200-888 TEL: 0570-200-888 https://kyodo-osaka.co.jp/search/detail/5280

受付/11:00~18:00(日曜・祝日は休業)

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