Special Issueビズスタ特集

「グローバルとローカルの両面で活躍する人材」「経営と会計の両方がわかる人材」を輩出

「グローバルとローカルの両面で活躍する人材」「経営と会計の両方がわかる人材」を輩出

2020年4月2日 PR

福岡大学創立の母体として、大学改革を牽引している商学部。九州・福岡のマネジメント教育の中核を担う存在として発展してきた。商学部での学びは実社会と密接で、会社を経営していくうえで欠かすことができない。次世代のビジネスリーダーを育成するために、商学部ではどのような取り組みを実践しているのか学部長の中川誠士氏に伺った。

― いま福岡および全国の企業は、どのような人材を求めていますか?
中川 誠士氏(以下 中川) これまでは一つの専門領域に関する深い知識やスキルを備えながら、教養として幅広い領域への理解をも有した「T型(一専多能型)人材」が求められていました。しかし、これからの時代は異なる専門領域の人材と協働することでイノベーションを起こせる「H型人材」が求められるでしょう。

―具体的にはどういった人材ですか?
中川 経営者の役割は「ディシジョン・メイキング( 意思決定)」でしたが、現代ではそれを実現させる「センス・メイキング」が重視されています。「センス・メイキング」とは、不確実性の高い事象に対して周囲を納得させて行動を起こすための意味付けのこと。「ディシジョン・メイキング」に基づく計画を具体化するストーリーテリングこそが、イノベーションには欠かせません。企業が抱える課題の最適解を見つけ出す分析力と、「センス・メイキング」で周囲を巻き込みながら行動を起こしていける能力が現代の経営者には必要です。

― そのために行っている取り組みは何ですか?
中川 企業がイノベーションを起こす要素として、「コレクティブ・ジーニアス(集合天才)」という概念があります。これは稀代の天才の出現に頼るのではな
く、個々の才能を集めてイノベーションを起こすための組織づくりを行うことです。そのために本学部では、ゼミ教育に力を入れています。ゼミは学生が主体となって専門領域について深く学び、分析力やプレゼン力も身に付けられます。1年次生から4年間ゼミで学べるのは、本学部だけです。

―「クリエイティブ・マネジメント・プログラム」や「会計専門職プログラム」など、新たなプログラムを導入している背景を教えてください。
中川 向上心や意欲を持った学生を伸ばすことは大学教育の使命の一つであり、学生全体の意識も底上げするために導入しました。福岡市がゲーム産業の集積地であることや、グローバル創業・雇用創出特区に指定されていることも大きな理由の一つです。新たなビジネスが生まれやすい環境の福岡市で、土地に根差した特徴のあるゲーム産業を学ぶ授業や企業のインフラとなる会計職の育成により、福岡の地域経済に貢献する人材を輩出しています。

― これからの時代に活躍するビジネスリーダー像を教えてください。
中川 はじめにも申しましたが、一つのスキルに秀でているだけでなく、ほかのスキルを持った人たちと協働し、イノベーションを起こせる人物です。そのためには正確な分析結果に基づく「ディシジョン・メイキング」のほかに、周囲を納得させて行動を起こすための「センス・メイキング」をできることが非常に大切です。

― 福岡大学商学部の卒業生の特徴を教えてください。
中川 本学の卒業生は「タフである」「コミュニケーション能力がある」などという点が高く評価されてきましたが、それに加えて本学部では専門性や新しい領域の知識を備えた人材育成を推進しています。本学部には45名の教員がいるので、それぞれの専門分野を深く学べることが強みです。二つのプログラムにみるように、ダブルスクールでなければ身に付けられないような、高度なスキルを持った人材を育成するための教育も実践しています。本学部での授業は実社会が求める学習ニーズに真摯に対応しており、卒業生は時代の変化に応じて組織を作り変えていける頼もしい人材となっています。


福岡大学 商学部長
中川 誠士氏[ なかがわ せいし ]

博士(経済学)(九州大学)。研究テーマは「1920年代アメリカにおける労務管理の形成」「科学的管理形成の国際比較」「日本およびアジア諸国企業の生産システムとグローバル化の比較研究」。「日本経営学会」「日本労務学会」「工業経営研究学会」「経営哲学学会」「経営学史学会」「日本比較経営学会」などに所属。

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