Special Issueビズスタ特集

名品「モエ・エ・シャンドン」を日常で愉しむ

名品「モエ・エ・シャンドン」を日常で愉しむ

2017年8月24日

暦の上では立秋を越え、気付けば9月も目の前に。秋と言えば最近では「イベントの季節」となっているが、これからの時期は仕事仲間や友人知人との会食などのご予定がおありの方も多いだろう。

プロジェクトの打ち上げやホームパーティなど、「特別な場」が少なくない季節。お祝い事ならシャンパンが必須…ということで、今回は「モエ・エ・シャンドン」で醸造最高責任者を務めるブノワ・ゴエズ氏にお話を伺った。

1743年創業のモエ・エ・シャンドン。メゾンについては細かく知らなくても、その名を聞けばさまざまなワードを連想するはずだ。「勝利」「成功」「称賛」「祝福」…その通り、同メゾンのボトルは、常に歓喜に沸く人々の輪の中心に置かれ続けてきた。

フランスはエペルネの小さなワイナリーとして出発した同メゾンは、設立以来の精神と味わいを守り抜くために、10名の精鋭から成る選りすぐりの醸造家チームを編成している。弱冠35歳で醸造最高責任者に就任したゴエズ氏は、フランスの伝統を背負う中心人物だ。

人類史の偉人たちがこよなく愛したボトル

創業からわずか5年後にフランス王室の公式シャンパンに認定されたモエ・エ・シャンドン。ナポレオンや英国のビクトリア女王ら「人類史の偉人」級の面々がこよなく愛し、欧州の社交の華であり続ける同メゾンの製品は、シャンパンの代名詞と言っても大袈裟でないほどの知名度と盤石の評価を誇る。気高く華やかで、かつ繊細な香りと味わいは、祝賀の場の開会宣言、あるいは祝砲のようなもの。第一線で活躍するビジネスパーソンなら、何度もそのしずくを味わう機会があったはずだ。

では、何がそこまで特別たらしめているのか。ゴエズ氏は、3つの要素を指摘する。

「まず、凝縮感に満ちた果実味ですね。モエ・エ・シャンドンの名を頂く以上、酸化や味わいの劣化がない状態でブドウを表現することが前提となります。そして、芳醇で魅惑的な味わいであること。力強くも厳つさを感じさせない優雅な味わいを持たなければなりません。最後に、エレガントな熟成感です。偉大なるシャンパンは、高品質なブドウの味だけでできているわけではなく、じっくりと熟成されていることを表現していなければならないのです。かと言って、それがブドウそのものを圧倒するようではいけない。このあたりが『エレガントな』とつく理由なんですよ」

数種類の上等なブドウを惜しげなく使いつつ、門外不出の技術と知見で長い時間にわたって熟成させ、270年以上も人々を魅了してきた、世界の名品。日本でも、特別な機会にのみ封を切られるものとして認知が根付いていることには、さぞお喜びだろう…と思いきや、ゴエズ氏はにこやかに首を振った。

いつ、どう味わおうとも歓びにアクセスできる

sub_yobi

「シャンパンは、開けた瞬間に『特別な日』になるのです。もっと気軽に接していただけると嬉しいですね。シャンパンは『いつだって特別』なのですから」。

複雑な芳香と味わいを持つ質の高いシャンパンは、空気に触れることで変化する。グラスに注いだ直後とまわした後では、口に含んだ時に異なる気付きを得る。したがって、いつ、どう楽しもうともそこには必ず歓びがある。だからこそ、気軽に封を開けて、新しい発見を楽しんでほしい。

いつでも、どなたでも気軽にアクセスできる歓びを、私たちは全力で作り続ける…。若き醸造最高責任者は、笑顔でそう強調した。


 

モエ・エ・シャンドン シェフ・ド・カーヴ
(醸造最高責任者)
ブノワ・ゴエズ 氏
1970年、ブルターニュ出身。
大学卒業後、カリフォルニア、ニュージーランド、オーストラリアのワイナリーで修業した後、1999年にモエ・エ・シャンドン入社。
2005年、35歳の若さで醸造最高責任者に就任。

PAGE TOP

最近見た記事

  • 最近見た記事はありません。