Special Issueビズスタ特集

言葉と音楽が響き合う。 藤井フミヤの新境地。

言葉と音楽が響き合う。 藤井フミヤの新境地。

2022年2月24日

10人の演奏家による、言葉と音楽の創造性を突きつめたコンサート、十音楽団(とおんがくだん)。ストリングスを加えたクラシカルな編成が、バンドサウンドとはひと味違う世界観を生み出す。藤井フミヤさんの言葉・台詞が、聴く人の心に情景とメッセージを届け、曲に深みを増す。ひとり芝居と演奏を融合させた心揺さぶるステージを生み出し、演じ続ける藤井フミヤさんにお話を伺った。

―「十音楽団」を思いつかれたきっかけは?
舞台劇の脚本を書いてみたいと思ったことがあって、コンサートでうまく形にできないかと。ただあくまでも劇ではなくコンサートなので、融合性のさじ加減が難しかったですね。歌もストーリーの一部なので、歌詞がしっかり聞こえないといけない。その点、室内楽ぐらいの音量だと歌詞が聞き取りやすいんです。また、室内楽の演奏を取り入れたことで、通常のバンド演奏よりもさらに「生の」楽器演奏を感じていただける舞台になりました。

―音楽や絵画、舞台までさまざまな創作活動をされていますが、発想の源は?
何かを見ても読んでも触れても、とにかく自分の中で想像を広げて、創作に変換するクセがあるんです。人間と動物の違いはたぶん、アートを感じるか感じないかなんじゃないかな。だからアートは人間的な発想なのだと思います。

―音楽と絵画、それぞれの活動はどのように影響し合っているのでしょうか?
音楽は、さまざまなミュージシャンやエンジニアとのコラボレーションでできあがるもの。それに対して、アートは完全に孤独な創作です。これら二つの創作活動は、私自身の人生においていいバランスを保っています。

―そうした芸術活動が我々の心に与える影響はどんなことだと思われますか?
音楽や芸術は、心の浄化やエネルギーになると思います。音楽は、常に個人に寄り添うことができます。どんなに孤独な時でも、音楽は心を癒し、励ましてくれる。そしてアートは、アーティストの発想のエネルギーやアイデアを、自分の中に取り入れることができます。

―コロナ禍という閉塞感のある環境でも、クリエイティブな活動を続けることで得られたこととは?
自分だけの好きなことをやれる孤独な時間と空間ほど、楽しいことがあるでしょうか。あるとすれば恋ぐらいですかね。

―ミュージシャンとしてアーティストとして、これからの展望をお聞かせください。
頭の中にある形のないものを、常にアウトプットして形にする。時間がかかるものもあれば、すぐできてしまうものもある。できるものもあれば、できないものもある。死ぬまでその繰り返しです。

―「十音楽団」の公演を楽しみにされている方やビズスタ読者に向けて、メッセージをお願いします
「十音楽団」はひとり芝居のようなコンサートです。大きなテーマは「人生」。観客それぞれの人生にリンクするような演出になっています。また、十音楽団の生で奏でる演奏は最高級です。座ってじっくり聴けるコンサートなので、今まで過ごしてきた時間をゆっくり思い返しながら楽しんでいただけたらと思います。ぜひ会場へいらっしゃって下さい。

アーティスト 藤井フミヤ さん

1962年7月11日生まれ 福岡出身。歌手、作詞家、アーティスト。1983年にチェッカーズとしてデビュー。数多くのヒット曲と、先進的なファッションで脚光を浴びる。1993年からソロ活動を開始。「TRUE LOVE」や「Another Orion」など、ミリオンヒットを世に出す。フルオーケストラ公演や、神宮式年遷宮の奉賛曲の作詞・作曲、奉納コンサート、数々の野外公演など、音楽領域の様々な形で活躍。並行して芸術分野での創作活動もおこなっている。

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