Special Issueビズスタ特集

with/afterコロナとSDGs

with/afterコロナとSDGs

2020年7月30日 PR

コロナショックにより鮮明になったSDGsの意味

SDGsという言葉を、新聞などでよく目にするようになった。Sustainable Development Goalsの略であり、国連サミットで定められた「持続可能な開発目標」だ。さらに具体的にいうと、その目標とは「経済」「社会」「環境」の3つが調和した状態を生み出すこと。途上国・先進国の区別なく、人種や社会的格差、性別を超え、多様性を認め合い、経済を発展させつつ自然環境を壊さず、改善していくことを目指す。

達成されなければ世界全体に厳しい未来が待っており、今後取り入れない企業は信用をなくし、時代に取り残されるともいわれるSDGs。国や企業、自治体はもちろん、個人でもアクションを起こす人が増えている。

SDGsでは下記のような17の目標が定められているが、それらはいま、新型コロナウイルスが猛威を振るう中で思わぬ形で可視化。重要性が目の前につきつけられる形となった。

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大量生産・消費社会の見直しや
気候変動への対策は停滞の恐れが

たとえば「気候変動に具体的な対策を」という目標。コロナの影響で多くの工場が止まり、交通量が減った結果、CO2排出量が減り、大気汚染も改善。経済活動が環境に与える悪影響が浮き彫りとなった。現時点では好転したようにも見えるが、経済活動が再開すれば状況は逆戻り。それどころか景気回復を優先して環境が悪化する恐れもある。温暖化の影響と思われる異常気象で壊滅的な被害が頻発する中、気候変動への対策は待ったなしだ。

また、SDGsは大量のエネルギーと資源を使い、食品や工業製品を生産、消費、廃棄することにも警鐘を鳴らしているが、これも状況は悪化。医療廃棄物や使い捨てマスクはもちろん、感染を防ぐため使い捨て容器の需要も増加。感染を防ぎながら、ゼロウェイストや脱プラスチックをどう進めるか、今後ますます課題となりそうだ。

そして、コロナによって深刻さを増す焦眉の課題が、世界の貧困。経済の低迷により、世界で5億人近くが貧困に陥る可能性があるといわれている。そんな中、以前にも増して各国で注目されているのが「ベーシックインカム(最低所得保障)」の導入だ。実際に制度を閣議で承認する国も出てきた。これが広がれば経済格差の解消につながり、人や国の不平等をなくすことにつながるかもしれない。

未曽有の危機によって強制的に
改革が進むというプラスの側面も

コロナによって進捗が急速に早まったこともある。一つはリモートワークだ。働き方改革として以前から推進されていたが、進めざるを得ない状況になった。働き方がより自由になることで、ワーク・ライフ・バランスが実現。SDGsの「働きがいも経済成長も」という目標に近づく。また障害や介護、子育てで自宅から離れられなかった人も働きやすくなる。結果として、ジェンダー平等や貧困の根絶につながることも期待できる。

また、教育ICTを進める好機でもある。オンライン授業が可能になれば、地域による教育格差の是正が実現するかもしれない。ただ現時点では学校によって機材の整い方がまちまちで、逆に格差が広がる懸念も。早急な改善が待たれる。

このように大きな試練であると同時に、大きなチャンスでもあるコロナ危機。ウィズ/アフターコロナの世界をよりよい方向に変えるため、我々がすべきことは何か。国連ではいま、あなた方一人ひとりの意見を求めている。小さな声が世界を動かす力となるかもしれない国連のアンケート「MY WORLD 2030」、興味がある方はぜひ参加してみていただきたい。

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MY WORLDは市民一人ひとりの声を聴くためのグローバルな市民調査です。持続可能な開発目標(SDGs)が策定される前に、およそ1,000万人もの声が世界194カ国から寄せられました。MY WORLD 2030は、SDGsの達成期限である2030年までに、より多くの国のより多くの人々からの声を聴くためにスタートしました。調査結果はグローバルなリアルタイムの公開データとして、国連や各国政府などがSDGsの認知度やゴールの進捗を知るために役立てられます。
https://myworld2030.org/?lang=ja にアクセス

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