Special Issueビズスタ特集

「表現者」の、新境地。

「表現者」の、新境地。

2018年11月29日

中川晃教、西川貴教ら日本のミュージカル界、音楽界を牽引する主役級実力派俳優が集結する「サムシング・ロッテン!」。今回、ウィリアム・シェイクスピア役に挑む西川貴教さんへの直撃インタビューが実現。見どころと意気込みを伺った。

―今回の作品に出演されることになったきっかけを教えてください。
去年のクリスマス、出演させていただいた番組の作家の方から「どうしても会いたいと言っている人がいるんだけど」というメールをいただきまして。「ご都合を仰っていただけばスケジュールを調整しますよ」と返信したら、「いや、今、楽屋の前に居るらしいんだけど」って(笑)。それが福田雄一監督でした。
今回の制作会議の中では、何度か僕の名前が挙がっていたそうなんです。詳しくお話を伺うと、スケジュールの面がネックになりそうな気配で。ミュージシャン活動もありますから、最初は正直「難しいかな」という印象でした。

―それが一転したのは?
「この役だけは決まっていない」ということで、その後も熱心に通ってくださったスタッフのみなさんの情熱です。ならば、何とかするしかないですよね。

―西川さんにとっても、今回の役どころは少し毛色が違いますよね。
これまでは、ご覧いただくみなさんと一緒に物語の渦の中に飛び込んでいくような役柄が多かったのですが、今回はウィリアム・シェイクスピアその人ということで、確かに異色かもしれませんね。今年出演した作品と比較しても正反対の役柄ですから、役者として少しでも幅が広がっているのであれば素直に嬉しく思います。

―西川さんに期待されているのは、どんな役割なのでしょう?
福田監督が仰っていたのは、とにかく「歌」ですね。作品の大きな見どころですので、「歌については妥協したくない」と。
シェイクスピア作品そのものは僕も演らせていただいた経験がありますが、人間の弱さや不条理さが描かれていますよね。それを書いた人物像を歌で表現するわけですから、配役に苦労なさったというお話も頷けます。「西川なら歌える」と思っていただけたなら、とても光栄です。

―西川さんご自身の目からご覧になって、今回演じられる役柄の魅力は?
70年代、80年代のレジェンダリーなシーンがちりばめられたコラージュのような作品で、人物の造形でも浮世離れした「スター」が再現されています。僕も幼少期に憧れて育ちましたし、今はエンタメの世界で何年もお仕事をいただいてますが、虚像と実像がつきまとうのが常でもあります。今回、シェイクスピアはヒール的な役回りですが、不器用ながらも他人任せにせず、自分で動いています。そこがとても共感できるんですよね。

―では、改めて読者へのメッセージを。
ブロードウェイ作品は、ジョークを翻訳できても「現地の笑い」を再現するのが難しいんですよ。特に今回はシェイクスピア作品の引用も多いので、本来は非常にハードルが高いはずなんです。それを見事に「笑える作品」に仕上げる福田演出の冴えは、ぜひ多くのみなさんにご覧いただきたいです。ミュージカル入門編としても最適ですので、どうぞ足をお運びください。

西川 貴教さん

1970年9月19日生まれ、滋賀県出身。1996年5月、ソロプロジェクト「T.M.Revolution」としてデビュー。「HIGHPRESSURE」「HOTLIMIT」など大ヒット曲を連発する。自身の故郷である滋賀県で野外フェス「イナズマロックフェス」を毎年開催するほか、舞台、声優などマルチに活躍。

福田雄一最新作ブロードウェイ・ミュージカル『サムシング・ロッテン!』
2019年1月11日(金)〜14日(月・祝) [全6公演]
会場:オリックス劇場
お問い合わせ:キョードーインフォメーション
0570-200-888 (10:00〜18:00)

 

※サムシング・ロッテン(何かが腐っている)! シェイクスピア作品『ハムレット』の一節からの引用されたタイトルを持つブロードウェイミュージカルの日本版が、いよいよ開幕間近。有名戯曲やミュージカル作品へのオマージュが随所に登場するコメディ作品で、トニー賞では9部門に10ノミネートされ、うち1部門受賞した2015年の話題作。

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