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“奇跡の湯”でココロとカラダを癒やす温故知新の湯治宿

“奇跡の湯”でココロとカラダを癒やす温故知新の湯治宿

2023年5月25日

元来、温泉は観光目的ではなく、けがや病気への効能を求めて訪れる療養の場であった。およそ27万年前から火山活動を続ける阿蘇火山の周辺地域には、さまざまな泉質成分をもった温泉郷が点在している。ここ地獄温泉はその名とは裏腹に200年以上にわたって人々を癒やし、今なお湯治文化が残る貴重な温泉郷の一つだ。
阿蘇外輪山を一望する『青風荘.』は、敷地内に3つの源泉をもつ。シンボルの「すずめの湯」は、湯舟の底、つまり足元からこんこんと湯が湧いている。これは全国的にも稀にみる湯舟で、ゆっくりする時間がとれたなら煩雑な日常から離れてリセットしてほしい。心身ともに温め、緩ませ、愉しむことが大切。阿蘇の山の大地が生み出すエネルギーに直接触れられる湯舟だからこそ、感じるものが多くあるはず。新設した冷泉との温冷交代浴を繰り返せば、心も体も整っていく。「すずめの湯」と男女入れ替え制の「元の湯」「たまごの湯」は泉質が異なっており、入り比べてみるのもおもしろい。
湯治は”問う自“。大地から湧き上がる温泉に身を委ね、自分を見つめ直すいい機会でもある。泉質による効能で体を癒やすだけでなく、自然の恩恵を全身で受けながら地球の息吹を肌で感じることもできる。自然とつながるその先に、自身の中に自ずと湧き上がってくるものがあるのではないだろうか。そうやってココロとカラダの健康を取り戻せるように、新しい湯治文化を発信している。

通常、火山性の硫黄泉は高温で湧出するため、時間をかけて冷ますか加水が必要。しかし、「すずめの湯」は足元から湧く泉源に、そのまま浸かることができる。はっきりとした理由は不明だが、地下で温泉と冷泉が混ざり合っているのではないかと推察。温泉成分を薄めることも空気に触れることもないまま、生まれたての湯に浸かれることから“奇跡の湯”と呼ばれている。湯浴み着で入浴する混浴なので、家族や友人と共に極上の湯を堪能してほしい。

明治時代より続く湯治宿『清風荘』は、2016年の熊本地震と豪雨による土砂で甚大な被害を受けた。現在は以前の面影を残しつつ再建し、『青風荘.』と屋号を改めて営業を再開。地獄温泉に現存する唯一の宿として、日本で生まれた湯治文化を守り続けている。客室は趣の異なる3つの建物、4つの部屋タイプ。熊本地震の被害を受けた本館と曲水舎は、新旧を織り交ぜつつ生まれ変わった。新たに誕生した離れは大きな窓を備え、外輪山に沈む夕日を眺めたり、阿蘇の風に吹かれながら半露天風呂に入ったりできる。

フレンチシェフでもあるオーナーが腕を振るうのは、フレンチの技と炭火、阿蘇の食材を生かした囲炉裏焼コース。そのほか、ジビエを中心とした地獄鍋コース、京都の老舗料亭で修業した料理長による繊細な懐石料理もあり、連泊しても食事に飽きることはない。

古民家を移築した曲水舎には、キッチンを備えた湯治部屋、共用キッチンを利用できる素泊まりのロフト部屋がある。たくさんの図書をそろえたライブラリーを併設しており、思い思いの場所でゆっくりと時間を過ごせる。長期滞在用にランドリースペースも完備。


地獄温泉 青風荘.

[住所]熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽2327
[電話]0967-67-0005(受付10:00~17:00)
[IN/OUT]15:00 / 11:00
[HP]http://jigoku-onsen.co.jp/

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