Special Issueビズスタ特集

SPECIAL INTERVIEW 久留米大学病院長・小児外科学主任教授八木 実

SPECIAL INTERVIEW 久留米大学病院長・小児外科学主任教授八木 実

2019年5月30日 PR

長年にわたり“医療のまち”として発展してきた久留米市で、私たちの豊かな暮らしを支える地域と医療の在り方について話を伺った。地域と医療の連携がまちの未来にもたらすものとは―。

高度医療を牽引する全国有数の〝医療のまち〞

-貴院が目指す医療とは何でしょうか?
八木さん(以下八木) 患者さんのもつ自己治癒能力をサポートする医療です。医師や医療スタッフの言動や姿勢によって、患者さんが病気に立ち向かう力を向上させるように支えています。当院が目指すのは、年齢・性別の分け隔てなく、病気・障害の有無や程度を問わない「共生の医療」。子供の権利を守る「こども憲章」も定めています。
-久留米における医療の特色を教えてください。
(八木) 人口10万人あたりの医師数は、全国でもトップクラスです。病気やケガをした時、すぐに適切な医療サービスを受けることができます。当院は昭和3年に創立した「九州医学専門学校」を前身としており、昨年90周年を迎えました。長い歴史の中で多くの医師を輩出し、初期研修医制度の発足時より「地域医療」の研修プログラムを設定するなど、優れた医療人の育成に尽力しています。
-「特定機能病院」としての使命は何ですか?
(八木) 当院は九州で初めての「高度救命救急センター」に認可され、九州北部の中核病院として高度医療を担っています。ドクターヘリは福岡・佐賀県全域と大分県一部に運航しており、久留米市や久留米広域消防本部と連携したワークステーションドクターカーは24時間体制です。災害や病院前救急のみならず、救急搬送時の初期診療、外科的治療、集中治療管理を行い、退院まで診療できる体制を整えることが使命です。

連携を密にした医療が健やかな人と地域を育む

-地域医療とはどのように連携していますか?
(八木) 開業医の先生や介護福祉へとつなぐ継続性のある
医療を実践し、国が進める地域包括ケアシステム「地域共生社会」の構築を推進しています。当院が地域の医療機関の高次医療機関として関与・統括するほか、がん患者の就労支援の取り組み、セミナーや市民公開講座の開催など、地域との関わりは多彩です。
-地域医療の質を向上するために、どういった取り組みを行っていますか?
(八木) 超高齢社会において、今後は患者さんの分布や人口動態が大きく変化していきます。そのため福岡県が策定する「地域医療構想」に基づき、久留米医療圏をはじめとする病床配置を整備し、医療連携の機能強化を図っています。その一環として、筑後地域の主たる病院を中心に全国137の医療施設が加盟する「久留米大学関連医療施設協議会」を設置しました。さらに、地域の医療機関と一緒に感染、安全、がん緩和ケアでの連携や講習会も実施しています。
-八木院長が理想とする医療のかたちや、まちの将来に対してのビジョンをお聞かせください。
(八木) 地域の医療機関との連携を密にした、患者さんにとってプラスになる医療圏を構築します。地域に根差した医療の推進こそが、人とまちの未来を明るくしていくでしょう。

久留米大学病院長・小児外科学主任教授 八木 実

[ やぎ みのる ]
昭和57年6月新潟大学医学部附属
病院外科医員、平成14年11月新潟大学大学院小児
外科助教授。平成17年8月久留米大学医学部小児外
科教授。平成18年4月同大学医学部外科学講座小
児外科部門主任教授。平成25年4月久留米大学病
院副院長。平成29年4月同大学病院病院長就任。

PAGE TOP

最近見た記事

  • 最近見た記事はありません。